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目時 直人; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 松田 雅昌*
no journal, ,
UPdAlの中性子散乱実験の結果、明瞭な結晶場励起が観察され、5電子が局在的で非クラマースイオンU(5)の一重項基底状態あることがわかった。PrPdAlと類似の状態を仮定して励起スペクトルや帯磁率が定量的に説明できた。励起エネルギーがPrPdAlより10倍程度大きな理由は、5電子の遍歴性が大きく、結晶場も大きいためであろう。NpPdAlのNpはほぼ3価のため、UからNpへ価数(5電子数)が急激に変化していることがわかる。NpPdAlの重い電子状態には、この価数異常が関与していると考えられる。
目時 直人; 山内 宏樹; 北澤 英明*; 鈴木 博之*; 萩原 雅人*; 益田 隆嗣*; 松田 雅昌*; Aczel, A. A.*; Songxue, C.*; Hong, T.*; et al.
no journal, ,
重い電子系超伝導体NpPdAlの5電子状態と重い電子の起源を解明するため、結晶構造が同じ希土類化合物の電子状態を中性子散乱実験により明らかにした。PrPdAlとNdPdAlの結晶場励起を観察し、正方対称の結晶場ハミルトニアンを解析的に対角化した結果と比較して電子状態を決めた。結晶場パラメーターが物質に依らずほぼ同じであることは、有効点電荷ポテンシャルもほぼ同じことを意味する。これらの結果からNpPdAlやUPdAlの5電子状態を明らかにすることができた。
目時 直人; 青木 大*; Griveau, J.-C.*; 大槻 純也*
no journal, ,
重い電子系超伝導体NpPdAlは、ほぼ三価の非クラマースイオンのNp(5)が実現し、全角運動量=4はPrと同じである。帯磁率と磁化曲線の定量的解析から一重項基底状態の約49K上に二重項第一励起状態が存在することが明らかになった。一重項では近藤効果は生じないため、NpPdAlの重い電 子状態には2チャンネル近藤効果を示しうるが関与することが明白である。NpPdAlの低温比熱は(i)近藤温度が分裂幅程度の重い電子状態と(ii)局在 ショットキーに分解して定量的に説明できる。AmPdAlまで一連の化合物の電子状態を-結合描像で表すと結合描像と対応づけができる。Pu及びNp化合物はそれぞれCe及びU化 合物のホール版とみなせ、はPrTXと同じ機構で安定化する。Pr(電子)とNp(ホール)同じ機構のが超伝導を示すのは非常に興味深い。
藤森 伸一; 川崎 郁斗; 竹田 幸治; 山上 浩志; 仲村 愛*; 本間 佳哉*; 青木 大*
no journal, ,
SPring-8 BL23SUにおいて行った重い電子系超伝導体UTeに対する軟X線放射光を利用したU 4d-5f共鳴光電子分光および角度分解光電子分光の結果について報告する。得られた結果とバンド計算との比較をもとに、UTeのU 5f電子状態、ならびにフェルミ面, バンド構造について議論する。
松原 章浩; 藤田 奈津子; 木村 健二
no journal, ,
コヒーレント共鳴励起(Resonant Coherent Excitation: RCE)という現象を利用した加速器質量分析(以下、AMS)の同重体分別の技術開発の基盤整備として、AMS装置でRCEの観測を試みた。実験では、シリコンの単結晶薄膜をチャネリング状態で透過するホウ素-10の速度を変化させ、+4価の存在比[4価/(4価+5価)]を測定した。その結果、存在比はイオン速度がRCEの共鳴速度に近いところで著しく低下した。これは、RCEを明瞭に示すものであるとともに、同重体の荷電分布を大きく変化させ得ることを示唆する。
甲斐 健師; 石田 明*; 大島 永康*
no journal, ,
凝縮相に陽電子を照射した場合、電子と陽電子の束縛系であるポジトロニウム(Ps)が生成することがある。このPsを利用したボース・アインシュタイン凝縮(BEC)は、反物質の重力精密測定や消滅ガンマ線レーザー発生等、新しい物理学的な技術を開拓する可能性があるが、未だに実現されていない。そこで、凝縮相における陽電子減速シミュレーションにより、Ps生成の基礎解明を目指すと共に、Ps-BECが実現するための最適条件を解明することを目的とした研究を進めている。この目的を達成するため、標的に照射され、高密度化した陽電子の挙動を動力学計算することを計画している。本講演では、凝縮相における高密度陽電子シミュレーションコード開発の現状として、PHITSを用いた計算解析により陽電子の標的中への進入に関する基礎的な検討を行った結果とともに、今後のコード開発に関する展望について発表する。
横田 光史
no journal, ,
双極子相互作用を含む強磁性体においては、交換相互作用と双極子相互作用の競合によって、磁場中で磁気スキルミオンが出現する。この系において、磁気スキルミオンが出現するパラメータ領域や磁気スキルミオンの形態をランダウ=リフシッツ方程式を数値的に解くことによって調べる。
山口 敦史*; 村松 はるか*; 林 佑*; 満田 和久*; 湯浅 直樹*; 前畑 京介*; 中村 圭佑; 滝本 美咲; 菊永 英寿*
no journal, ,
トリウム229は、基底状態からわずかエネルギー8eV程度のところに第1原子核励起状態(アイソマー状態と呼ばれる)をもつことが知られている。本研究の目的は、基底状態からアイソマー状態への原子核遷移の共鳴周波数を基準とする光周波数標準の実現をめざし、この核遷移の遷移エネルギーを精密に測定することである。本研究ではアイソマー状態のエネルギー(約8eV、(a))の測定のため、トリウム229原子核のエネルギー29.19keVの第2励起状態を利用する。先行研究で、基底状態から第2励起状態のエネルギー(b)は精度0.07eVで測定されている。本研究では、ウラン233がトリウム229に崩壊する際に放出される、第2励起状態からアイソマー状態の間のエネルギー29.19keV(c)の線を超伝導遷移端カロリメータで精密に測定し、(a)=(b)-(c)によりアイソマー状態のエネルギーを測定する。
小畠 雅明; 吉井 賢資; 福田 竜生; 川崎 郁斗; 岡根 哲夫; 山上 浩志; 矢板 毅; 針井 一哉; 家田 淳一; 岡安 悟; et al.
no journal, ,
スピンゼーベック系Pt/YFeO(YIG)に対し、放射光を用いた硬X線光電子分光(HAXPES)により特異物性などの起源を明らかにすることを試みた。実験は、SPring-8の原子力機構放射光ビームラインBL22XUにおいて入射光エネルギー8keVを照射して行った。対象系は、外部磁場が存在しない状況でもホール効果を発現することが報告されている(異常ホール効果)。この起源として、YIG中のFeイオンがPt膜に染み出し、磁性を持つ金属間化合物を生成していることが示唆された。そこでHAXPESにより、界面近傍の鉄イオン等の電子状態を測定した。Fe 1s光電子スペクトルからは、鉄イオンが3+のものと金属的な0価に近い2つの状態が存在することが判明し、このシナリオを支持する結果が得られた。また、発電効率の異なる試料に対しHAXPES測定を行い、発電効率の低い試料ではFe 1s光電子ピークがブロードになっており、鉄イオンの価数が複数存在する不均質な状態であることが示唆された。これらの測定ではPt 4fやO 1sスペクトルなども観測しており、詳しい結果は当日報告する。
河村 聖子; Guerin, L.*; 渡邊 功雄*; 加藤 礼三*
no journal, ,
アニオンラジカル塩[Pd(dmit)](はカウンターカチオン)は、Pd(dmit)ダイマーによって形成される等方的あるいは歪んだ2次元三角格子によって特徴づけられ、絶縁相においては、スピン1/2が各ダイマー上に局在する。これらの物質群のひとつであるEtMeSb[Pd(dmit)]は、等方的な三角格子構造をもち、=70Kでスピン1重項の形成を伴う電荷分離相への一次相転移を起こすことが示唆されている。我々は過去にこの系に対しSR測定を行い、スピン1重項状態の発現を示す結果を得たが、ミュオンスピンの緩和率のふるまいが変化する温度は、わずかにと異なっていた。最近、高分解能X線構造解析により、この系の三角格子の歪みの度合いが空間的に変調するような中間非整合相が=105K以下で発現し、さらに整合電荷分離相が=66.5K以下で発現することが報告された。そこで我々は、EtMeSb[Pd(dmit)]の中間非整合相および整合電荷分離相における内部磁場のダイナミクスを調べるため、より詳細なSR測定を行い、以下でわずかな動的成分の増加、さらに以下で明瞭な内部磁場の変化を観測した。
徳永 陽; 酒井 宏典; 神戸 振作; 服部 泰佑; 比嘉 野乃花*; 仲嶺 元輝*; 北川 俊作*; 石田 憲二*; 仲村 愛*; 清水 悠晴*; et al.
no journal, ,
2018年新たに発見された超伝導体UTeは、パウリ臨界磁場を大きく上回る超伝導上部臨界磁場を持ち、強磁性スピンゆらぎを引力機構としたスピン三重項の超伝導の実現が強く示唆される。我々はこのUTeにおいて単結晶を用いたNMR研究を進めている。講演では常磁性相おけるナイトシフト、核磁気緩和率(および)の温度依存性を報告し、この系に磁気ゆらぎの特徴について議論する。
樹神 克明; 本田 孝志*; 山内 宏樹; 社本 真一; 池田 一貴*; 大友 季哉*
no journal, ,
磁気対相関関数(磁気PDF)はある距離rの位置にある磁気モーメント間の相関をあらわす実空間の物理量で、波数空間でシャープな磁気ブラッグピークを示さない長距離秩序をもたない磁気配列を調べる上で有効と考えられる。我々は空間反転対称性のない金属磁性体MnRhSiの磁気構造を調べるために、J-PARC全散乱装置NOVAを用いて粉末中性子回折実験を行った。得られた磁気散乱強度データから導出した磁気PDFを用いて磁気転移温度上下での短距離磁気構造を調べた結果を報告する。
神戸 振作; 酒井 宏典; 徳永 陽; 芳賀 芳範; 増田 隼人*; 東中 隆二*; 松田 達磨*; 青木 勇二*
no journal, ,
SmAuAlは常圧2.8K付近で反強磁性秩序を示めす。比熱C/Tは低温で2J/molK以上になる重い電子系である。この重い電子状態は磁場に鈍感である。特にこの化合物では重い電子状態の磁場方向依存があることが特徴的である。しかしXASによるとSmの価数は3+状態のみでmixed valance状態にはないように見えていることも興味深い。そこで、本研究ではAl-NMRを用いて、磁気揺らぎの温度・磁場方向依存を見積もることを試みた。
社本 真一; 赤津 光洋*; 松浦 直人*; 家田 淳一; 安井 幸夫*; 針井 一哉; 小野 正雄; 山本 慧; 伊藤 孝; 根本 祐一*
no journal, ,
YFeOで、音響スピンポンピングによる白金電極の電圧測定と中性子散乱の同時測定を行い、その関連を調べたので報告する。逆スピンホール効果の電圧は10K以下の低温では観測できなかったが、140Kでは最大0.5V程度観測された。この結果とこれまでに観測された(220)磁気ブラッグ強度の増大との関連について議論する。
竹田 幸治; 山上 浩志; 本間 佳哉*; 青木 大*; 伊覇 航*; 辺土 正人*; 仲間 隆男*; 大貫 惇睦*
no journal, ,
UCuSiとUCuGeは、それぞれキュリー温度(T)100Kと109Kで強磁性を示し、その磁気モーメントはいずれも1.75/Uである。そして興味深いことに、UCuSiはT直上にネール温度(T)106Kがあり100-106Kの間では反強磁性を示す。さらにその反強磁性状態において磁場(H)を印可すると、H=0.1T付近でメタ磁性転移を示す。これら物質が示す磁性の相違点をミクロスコピックな観点から明らかにするために、元素選択的な磁気プローブである軟X線磁気円二色性(XMCD)を用いて調べた。実験はSPring-8原子力機構専用ビームラインBL23SUに設置されているXMCD実験装置にて行った。実験はU N, Cu L, Si K, Ge L吸収端に対して行うことで、すべての構成元素における磁気情報を分離観測した。その結果、強磁性状態でいずれの吸収端においても明瞭なXMCDシグナルを観測し、これはすべての構成元素で磁気分極が存在することを示している。そして、UCuGeとUCuSiのいずれにおいてもCu L、L吸収端ともに同符号のXMCDシグナルを観測した。これはCu 3d電子が非常に大きな軌道磁気モーメント(M)を有していることを示しており、かつ、UCuGeとUCuSiのCu 3dのMは反平行であることが分かった。今回は特にCu L吸収端での結果に注目し、Uを含まないYCuSiやEuCuSiにおけるCu L吸収端での結果との比較検討を行う予定である。
家田 淳一; 山本 慧
no journal, ,
磁性体/非磁性体界面に生じる界面スピン軌道相互作用は、磁性体層に新たな磁気異方性をもたらし、非磁性体層の選択や外部電界の印加による磁気特性の制御を可能とする。近年、原子層制御が可能なファンデアワールス(vdW)物質を異種物質に貼り合わせることで、新たな物性や機能を発現する研究が注目を集めている。これまで、光学特性や伝導特性の変調、非従来型超伝導の発現などの報告がなされているが、wdW物質との異種接合による磁性体の制御に関する研究はまだほとんど開拓されていない。そこで本研究では、ゼーマン型と呼ばれるvdW物質特有のスピン軌道相互作用が、隣接する強磁性体に導く磁気異方性を、有効模型に基づく解析により理論的に検討する。具体的な系として、2H結晶多型の遷移金属ダイカルコゲナイドと単純な一様強磁性体の接合系を想定し、そのバンド構造を再現する強束縛模型を用いて磁気異方性エネルギーの計算を行った。本講演では、磁気異方性タイプ(面直・面内)のフェルミ準位依存性、強磁性体層との交換結合定数への依存性の計算例を紹介し、vdW物質による微小磁性体制御の可能性について検討する。
神戸 振作
no journal, ,
2012年に水口氏らが発見したいわゆるBiS系超伝導体は、Cu系, Fe系超伝導体に続く第3世代の層状超伝導体と言える。この化合物群の特徴は、多彩な電子物性を併せ持つことであり、強相関電子物性分野のユニークな研究領域を創出している。2019年のJournal of the Physical Society of Japan (JPSJ)の特集企画「Recent Progress in BiS Materials Science」を参照されたい。今回、特に注目されている電子物性について詳細な報告をする。
森 道康; 藤田 全基*; 南部 雄亮*; 河村 聖子; 古府 麻衣子; 中島 健次; Urlich, C.*; Sushkov, O. P.*
no journal, ,
非磁性絶縁体TbGaOは、フォノンによる熱ホール効果(フォノンホール効果)を示す。その起源は、Tbイオンの結晶場励起を伴ったフォノンの共鳴散乱である。非弾性中性子散乱を用いて、磁場下におけるフォノンと結晶場励起の測定を行った。磁場下における結晶場励起の解析結果について報告する。
酒井 宏典; 徳永 陽; 神戸 振作; Ramakrishna, S. K.*; Reyes, A. P.*; Rosa, P. F. S.*; Ronning, F.*; Thompson, J. D.*; Bauer, E. D.*
no journal, ,
ウランカルコゲナイド-USは常磁性体で、室温付近では半金属的伝導を示し、低温では90K程度の狭いバンドギャップをもつ半導体的伝導へクロスオーバーを示すことが知られ、低温において大きな磁気抵抗効果を示す。本系における微視的磁性を明らかにするためにS同位体濃縮を行い、核磁気共鳴(NMR)実験を行なった。当日は、強磁場NMR実験結果も示して、本系の微視的な磁気特性について議論したい。
古府 麻衣子; 綿貫 竜太*; 榊原 俊郎*; 河村 聖子; 中島 健次; 上木 岳士*; 阿久津 和宏*; 山室 修*
no journal, ,
イオン液体は現代の液体科学分野で注目されている多機能液体であり、その特性はイオン種の選択に 応じて変えることができる。たとえば、磁性イオンを含む陰イオン種を選択すると磁気特性が現れる。最初に報告された磁性イオン液体CmimFeClは、冷却速度を調整することによりガラス・結晶の両方の状態をつくることができる。我々は低温磁化測定を行い、結晶では反強磁性磁気秩序が、ガラスではスピングラス状態が発現することを明らかにした。さらに、中性子散乱測定を行い、結晶ではスピン波励起、ガラスでは非分散かつブロードな磁気励起を観測した。このブロードな磁気励起は、スピングラス転移温度以下ではボーズ因子でスケールでき、構造ガラスにみられるボゾンピークと類似している。これは、周期性が欠如していることを反映し、マグノンが伝搬しないためだと考えられる。講演では、従来のスピングラスとの比較をもとに、この構造ガラス上で発現するスピングラスの本質について議論する。